睡眠の質が脳の機能に影響を与える!?『頭のよくなる眠り方』を習慣づけよう。
「睡眠」は、健康的な毎日を過ごすためには、欠かすことが出来ないものであり、僕らは睡眠を行うから、日中を元気に過ごすことが出来る。
しかし、これほど人生において重要な「睡眠」という行為について、真面目に考える人は意外と少ないと思う。
僕も最近までは、そうだった。
睡眠時間さえきちんと確保して入れば大丈夫じゃない?、と。
睡眠は「量」さえ確保できていれば問題ないと考え、睡眠の「質」を上げるという考え方を持っていなかった。
そして、睡眠時間はただの「休息時間」という考えがあった。
睡眠には、体の休息以外にも様々な効用がある。
そう語るのは、『頭がよくなる眠り方』(菅原 洋平)の著者。
作業療法士、睡眠健康指導士として、企業での「睡眠マネジメント研修」を全国で開催し、テレビや雑誌などでも注目を集める方である。主な著書に『あなたの人生を変える睡眠の法則』や『40代からは「記憶法」が変わります』などがある。
睡眠がただの疲労回復や体調の維持のためだけにあると考えているならば、間違いですし、そうした考えでは脳の力を最大限に活用することは出来ません。
なぜなら、寝ている間にはあなたの脳は活発に働いているからです。
私たちは睡眠中に脳がただ休んでいて、睡眠時間は自分の成長にとって空白時間であると考えがちですが、むしろ睡眠中にこそ、あなたの脳は成長しているのです。(『頭のよくなる眠り方』第1章より)
僕も睡眠時間を「空白時間」と考えていたかも知れない。
たまに「睡眠時間が削れれば、もっと趣味に時間を費やせるのになぁ」とか「1日に24時間起きていられたらいいのに」とか思ったりする。
仕事や、プライベート、勉強時間などを優先するあまり、睡眠時間を削っていた僕は、睡眠の大切さをあまり理解せず、軽く考えていたのかも知れない。
今回は、睡眠の質を上げるためには、どうすれば良いか。「脳」の視点から語りたいと思う。
「睡眠」と「脳」
睡眠中において、脳は疲れを取る以外に、以下のような様々な仕事をしている。
- 体験した出来事や学習した記憶を定着させる
- 学習したことを使えるように整理する
- 経験した身体の動きを反復練習して定着させる
- 無駄な感情の記憶を消す(『頭のよくなる眠り方』第1章より)
また、睡眠不足による弊害は以下のようなものがある。
- ストレスを感じやすくなる
- ヒューマンエラー・ケアレスミスが増える
- 文字が頭に入らなくなる
- 別のことを考えてしまう
- 些細なことにびくびくする(『頭のよくなる眠り方』第1章より)
上の4つは脳の機能の低下から起こるものであり、最後の「些細なことにびくびくする」というのは、セロトニンというホルモンが少なくなることで起こる現象であり、睡眠不足によって、セロトニンが現象すると動揺しやすい体質になってしまうという。
睡眠不足かどうかチェックしてみよう
睡眠不足かどうかを判断する指標の一つは、「布団に入ってから寝るまでの時間」を確認すること。
例えば、徹夜明けで布団に入った自分を想像してほしい。
人によるかもしれないが、基本的にはあっという間に眠れるはずだ。
時間にして、5分くらいか、それよりももっと早いかもしれない。
つまり、何が言いたいのかというと、睡眠不足であればあるほど、入眠までの時間は早いのだ。
僕らの体は、そんなに早く眠れるようには設計されていないのである。
私たち人間の脳は、目を閉じて眠るまでに少し時間がかかる構造になっています。
通常、目を閉じてから眠るまでにかかる時間は10分程度。もやもやとまどろむような時間があり、徐々に意識を失って睡眠に入ります。(『頭のよくなる眠り方』第1章より)
また、手軽な方法として、目を瞑って片足で30秒立てるかチェックする方法もある。
寝る時間を測定するのは中々難しいと思うので、こちらの方法で試してみてはどうだろうか。
頭のよくなる眠り方
脳の機能を上げるためには睡眠の質を上げた方が良い。
脳は「習慣」が好きな臓器である。睡眠の質をあげるために「頭のよくなる眠り方」を習慣化させる必要がある。
まず、やってはいけない習慣が2つある。
それは、「ベッドの上で何かをすること」と「就寝前にうとうとすること」である。
脳は、「場所」と「行為」をセットで記憶する仕組みをもっています。
たとえば、ベッドの上で読書をすると、脳の中の文字を読む言語野や視覚野が働きます。すると、このベッドは文字を読む場所だ、と脳は記憶してしまいます。
脳は、作業を場所とセットで記憶し、再びその場所に行こうとしたとき、以前そこで使った脳の部位を働かせるという特徴があります。これはフィードフォワードと呼ばれ、脳が効率化を図る仕組みです(『頭のよくなる眠り方』第3章より)
今の若い人は寝る前に、ベッドの上でスマホをいじったり、テレビを見たりする人も多いのではないだろうか。
というか、今までの僕が実はそうだったのだけど・・・。
ベッドの上では寝る以外の行為を禁止し、「ベッド=神聖な場所」として崇め、寝る時以外は足を踏み入れてはいけない絶対領域として考えるべきかもしれない。
また、もう一つのやってはいけない習慣の「就寝前にうとうとすること」を、著者は「パチンコのゴムが縮んだ状態」と例えている。
つまり、パチンコのゴムを限界まで引っ張った状態で離すと、その分だけ石が遠くに飛ぶ。ゴムの引っ張りのパワーが「睡眠圧」であり、睡眠圧が大きければ大きいほど(ゴムを引っ張れば引っ張るほど)、眠りはより深くなる(石はより遠くに飛ぶ)。
眠りを深くする(睡眠の質を上げる)ためには、日中にうとうとせず、睡眠圧をなるべく高めておかないといけないのだ。
例えば、中途半端な眠気が仕事中に襲ってきたときは、睡眠圧が弱まっている証拠であり、日中は常に覚醒状態を保っていなければならない。
「朝をつくる」「夜をつくる」を習慣づける
睡眠不足の人は日中、どうしても睡眠圧が弱まってしまうかもしれない。
その対策として、しっかりと「朝をつくる」ことと「夜をつくること」を習慣づけなければならない。
朝をつくることは簡単で、起床4時間以内に光をみればいい。
一般的な会社員であれば、通勤時に日光を浴びることができるので、その点は問題ないはず。
難しいのは夜をつくる方である。
夜過ごす部屋では、脳に光を届けすぎないようにしましょう。勉強をするときには、手元が明るければよいので、部屋全体を明るくすることは避けて、手元や自分の近くだけを明るくしてみましょう。使っていない部屋の照明を消すことも大切です。脳に無駄に光が届けられないようにしましょう(『頭のよくなる眠り方』第3章より)
たとえ時間的に夜になったとしても、脳が夜を認識出来なければ、脳的には夜はまだきていないということになるのだろう。
脳が僕らをコントロールしているのではなく、僕らの行動が脳に影響を与えているのかもしれない。
意識的に脳に夜を認識させることで、質の良い睡眠につながるわけだ。
最後に
今回は、本書の「睡眠の質を上げる」というところに焦点をあてた。それ以外にも、脳を最大限に活用させる「頭がよくなる勉強法」についても深く語られているので、興味がある方は読んでみて欲しい。
睡眠が変われば、人生が変わる。人生が変われば、社会が変わる。
そして、社会が変われば、世界が変わる。
そんな可能性が睡眠には秘められている。
そう考えているのはきっと僕だけかもしれない。
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