著書『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を読んだ感想を語る。
僕は昔から文章を書くのが苦手だ。
小学生の時、夏休みの宿題である「読書感想文」は、いつも最終日まで後回しにしていたし、書いたとしても自分の感想などほとんど無く、本の内容をコピペするだけの「感想文」というには程遠い代物だった。
中学生の時に書いた「卒業論文」では、「恐竜」をテーマに原稿用紙50枚程書いたが、9割くらいは恐竜図鑑に記載されている文章をコピペしていた。
それくらい僕は文章が書けなかったのだ。
というか、そもそも「文章の書き方」を学校教育で学んでいないんだから、上手く書けるわけがない。
そんなことを自分の言い訳にしながら、今日まで「文章の書き方」を勉強せずに生きてきたわけだ。
しかし、最近になって、ブログを書くようになって、僕は痛感した。
「文章能力低すぎワロタ」と。
文章を書く能力が圧倒的に欠如しているのだ。
このままでは、ブログを書くことがだんだんと辛くなってきて、3ヶ月も続かずやめてしまうかもしれない・・・。
そんな危機感に迫られ、僕は「文章の書き方」を勉強することを決意したのである。
当たり前のことではあるが、「文章の書き方」だけに限らないが、大人になると基本的には誰も勉強は教えてくれないし、必要な能力は自分で勉強し、身につけるしかない。
僕は読書が好きだ。
最近は実用書をよく読んでいる。
そこで僕は、ネットで「文章の書き方」を学べる本を探し、それを読んで勉強しようと思った。
そうして出会ったのが
著書『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
である。
この本を書いている古賀史健さんはフリーランスライターとして活躍している方で、編集者からは「踊るような文章を書くライター」だと言われているらしい。
有名な書籍として『嫌われる勇気』や『ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書』などがあり、多数のベストセラーを手がける作家である。
この本を読んで、まず僕が最初に思ったことは、「すごく読みやすい」というところだ。
この感想は決して「小並感(小学生並の感想)」を言っているんじゃない。
本当に読みやすいのだ。
その理由は、この「文章講義」にも出てくる話なのだが、読者は文章を読む前に、まずは「眼で見る」ため「視覚的なリズム」を整えているからだと思う。
「視覚的なリズム」とはなんぞや?と思う方もいるだろう。
それは、
- 1つの文の中に「漢字」と「ひらがな」のバランスを整えること。
- 文章が長くなる場合は適度に改行すること。
- 適度に句読点を打つこと。
これらが「視覚的なリズム」の良い文章となるのだという。
1つの文の中に漢字が多いと、文中に「黒」の部分が多くなり、圧迫感が生まれてしまう。
逆に、1つの文の中にひらがなが多いと、文中に「白」の部分が多くなり、それもまた圧迫感を与えてしまう。
つまり、この「黒」と「白」をバランスよく配置し、1行に1つは読点を入れ、改行も早めに行うことで、文章の「見た目」に気を遣うことが大事だという。
「視覚的リズム」を整えた後は、それを音読して、読点の位置に違和感がないかを確認し「聴覚的リズム」を整える。
この本では、論理的な文章を書く方法についても、非常に分かりやすく書かれており、勉強になった。
その中でも特に、個人的にはこの「視覚的リズム」や「聴覚的リズム」整えるという作業については、目から鱗であり、新しい発見が出来たと凄く感動した。
また、これらの考え方は、ブログを書く上でも非常に役に立ち、読みやすい文章を作成する上で必ず手助けになると、僕は思った。
さらに、この本の中で著者は、文章を書く上で「美文より正文を書け」と述べている。
ぼくは「美しい文章」など、目指すべきではないと思っている。
余裕があれば美しくても結構だが、「美しさ」よりも先に「正しさ」がくるべきだと思っている。(『20歳の自分に受けさせたい文章講義』より引用)
文章能力の高い人が書く文章は大抵、難しい語彙や表現を多用し、読んでいて惚れぼれするような「美しい文章」を書くという印象がある。
僕はそんな「美しい文章」に憧れていた。
しかし、著者の古賀さんは、文章は人に伝えることが目的であり、美しくある必要はないという。
つまり、文章において、正しさなき美しさは、駄文なのだ!(そこまでは言ってないか・・・笑)
この考え方を知ってから、自分の肩の荷が下りた気がした。
美しい文章なんて書く必要はない。文章に美しさを求める必要なんかないのだ。
正しい文章を書く。
当たり前だけど、誰もが中々気づかないことを教えてもらえて良かったと、心から思う。
そして、この本の後半では、古賀さんは「いい文章」とは「読者の心を動かし、その行動までも動かす文章」のことであると語っている。
これからこのブログを通して、沢山の方に自分の文章を読んでもらうだろう。
僕は、古賀さんの言う「いい文章」の定義を理解し、自分の気持ちや感情をありのままに伝え、共感してもらうことで、読者の心を少しでも動かせられるような文章をかけるようになりたいと強く思った。
最後に古賀さんはこの本の中で
才能や文才など気にすることなく、すぐにでも最初の1行を書きはじめていただきたい。
その一歩が、講義終了のチャイムなのだ。(『20歳の自分に受けさせたい文章講義』より引用)
と述べている。
これを読んで僕は「にくいなぁ」と思った。
なぜなら、この最後の1文が、凄く「美しい」と感じたからだ。
正しい文章を書き、時にはスパイスとして「美しさ」を入れることも、人の心を動かすためには必要なのかもしれないと、僕は思った。